ディメンション
ついこの前高校に入学したばかりの長男が間も無く中間試験週を迎える。高校受験の蓄えで最初こそゆとりがあったようだが中間試験を前にかなり勉強が難しくなっているとのこと。物理と数学に苦手意識を持っており少し心配だと言う。余計なことはしないようにしているが、本人からの依頼で少し物理と数学を教えることになった。zoomで解説しようと思っているが、空き時間にも勉強できるようにと参考となる解説書を書いている。物理の教師なら必ず強調しているであろうポイントがある。その部分が何故大事なのか、それがどのような意味を持っているのかをできるだけ数式を使わないで読める解説書を目指している。例えば「等速直線運動」。何故「直線」という言葉が含まれるのかを説明するために「速度」と「速さ」の違いを知る必要がある。中学生の頃は何となく概念的なことを教えられるけど正式に学ぶのは高校生になって初めてとなる「ベクトル」。小学生から中学3年生までに扱ってきた量のほぼ全部が「スカラー量」でありそれに相当するのが「速さ」、そしてベクトル量で表現するのが「速度」であることを丁寧に理解しておく必要がある。だから等速直線運動の「等速」は「等しい速さ」を意味しており、その運動が方向も変化しないので「直線運動」になる。同じことを表現する言葉に「等速度運動」がある。この場合は文字通り「速度」即ち方向も等しいので「直線」という言葉をつけない。どうでも良さそうなことであるが、この理解が曖昧だと「等速円運動」など直線的でない運動を扱う際に混乱してしまう。
物理の世界に「すごいな!」と思うことが沢山ある。組立単位という考え方もそのひとつである。色々な量を扱うときに「単位」を用いるが物理では極力新しい単位を使わずに既存の単位を組み立てて用いる。例えば速度、或いは速さの単位。移動した距離を時間で割れば速度、速さが算出できる。[距離]÷[時間]という式から求められるから単位も[m]÷[s]となり速度、速さの単位を[m/s]とする。なので公式を忘れてしまっても単位を見れば公式を導き出せる。
少し意味合いが違うが、車のカタログを見ていると性能を「エンジンの出力」で表現することがある。単位を「馬力」とすることもあるが「W(ワット)」とすることもある。電気の分野でよく用いられる単位である「W」が何故車の出力に用いられるのか?と思ってしまうが、ワットはもともと「仕事率」に用いられる単位である。若干正確ではないが「1秒あたりの仕事」を仕事率という。この「仕事」が「エネルギー」と同じディメンションに存在する。
ディメンションのリンク
「力」と「エネルギー」はディメンションが違うので足したり引いたりすることはできない。一方前述の通り「仕事」と「エネルギー」はディメンションが同じなので単位さえ揃えば足したり引いたりできる。ディメンションが違うと全く別物になってしまう。例えば円の面積と円周は違う。なので円周と面積を足したり引いたりできない。が円周から面積、逆に面積から円周を求めることはできる。ここで登場するのが「微分」と「積分」である。この微分と積分を発見した人は人類にどれだけ大きな貢献をしたかわからない。発想自体は古代からあったようだがこの分野で大きく貢献した一人が敬虔なクリスチャンとしても有名で聖書の預言を計算で解釈したアイザック・ニュートンである。半径rの円について円周は2πrとなるが面積はrについて積分したπr^2となる。
異なるディメンションが架け橋によってリンクされることはとても感動的である。
キリスト教の世界にもそのような考えがある。罪の世界と天上の清い世界。異なるふたつの世界をイエスキリストという方が架け橋となって両者の関係性を構築してくださった。
10さてヤコブはベエルシバを立って、ハランへ向かったが、 11一つの所に着いた時、日が暮れたので、そこに一夜を過ごし、その所の石を取ってまくらとし、そこに伏して寝た。 12時に彼は夢をみた。一つのはしごが地の上に立っていて、その頂は天に達し、神の使たちがそれを上り下りしているのを見た。 13そして主は彼のそばに立って言われた、「わたしはあなたの父アブラハムの神、イサクの神、主である。あなたが伏している地を、あなたと子孫とに与えよう。 14あなたの子孫は地のちりのように多くなって、西、東、北、南にひろがり、地の諸族はあなたと子孫とによって祝福をうけるであろう。 15わたしはあなたと共にいて、あなたがどこへ行くにもあなたを守り、あなたをこの地に連れ帰るであろう。わたしは決してあなたを捨てず、あなたに語った事を行うであろう」。 16ヤコブは眠りからさめて言った、「まことに主がこの所におられるのに、わたしは知らなかった」。 17そして彼は恐れて言った、「これはなんという恐るべき所だろう。これは神の家である。これは天の門だ」。18ヤコブは朝はやく起きて、まくらとしていた石を取り、それを立てて柱とし、その頂に油を注いで、 19その所の名をベテルと名づけた。その町の名は初めはルズといった。
創世記28:10-19
宜しければこちらのクリックもお願いいたします
↓↓↓↓↓↓↓