電力事情
まだ6月だというのに真夏日になっているところもある。青森ですらかなりの暑さで閉口している状態である。連日ネットニュースを開くたびに電力のひっ迫と節電の呼びかけが報じられている。今や、無くなれば社会生活が不可能になるほど人と電気との関係は深い。停電ではなく本当に電気が無くなったらどのような生活になるのだろうか。生活を豊かにしている洗濯機や冷蔵庫は使えない。エアコンもテレビも無い。iPhoneやmacはただの箱になり電気に依存しないものだけが稼働する。
それにしても何故ここ数年で電力不足が叫ばれるようになってきたのか。分からなかったので調べてみるといくつかのことが理解できた。大きな引き金になったのは3.11。福島原発の事故以降国民の原発に対する危機意識が高まり国も新たな基準を設ける必要に迫られた。その結果、それまで総電力のおよそ25%を負担してきた原発の多くが廃炉、或いは運転停止になった。現在稼働できるのは10基。しかし実際に稼働しているのは
・関西電力(大飯原発)1基
・四国電力(伊方原発)1基
・九州電力(川内原発)2基
の4基である。東日本では稼働している原発が1基も無い。これにより大幅に発電量が下がり現在は総発電量の4%程度になっている。自然エネルギーを用いた発電の総発電量に対する割合は2020年で次のようになっていた。
・水力発電 7.9%
・バイオマス 3.2%
・地熱発電 0.25%
・風力発電 0.86%
・太陽光発電 8.5%
原発の全体に対する発電量は太陽光のおよそ半分である。
発電について
大学時代、素粒子の研究室にいたがその学びの一環で原子力発電について少し調べたことがある。その危険性を色々な実験を通して知ることができたので、放射線に対する強い拒否反応がある。今の日本のように原発を減らしていく、場合によっては廃止する方向は是非考えてもらいたいと思っているが、一方でそれに変わる発電方法も見出していかなくてはならないと思っている。現在の太陽光発電はもう少し発電量を上げることは可能なのでは無いかと思うがどうなのだろう。また、5年ぐらい前にある保護者から「風力発電」を強く勧められた。実際にこの方はある地方に風力発電の設備を導入し、クリーンで安価な電気を地元の方々に供給している。サイズや発電容量にも依ると思うが、当時言われた導入費用がおよそ1億円。高いようにも感じるがこれ1基で小さな集落の電力全てを賄うことができるらしい。実際、あるYouTuberも北海道に風車を建てた。今か個人や会社が風車を所有する時代である。また割合としては非常に低いが「地熱発電」は日本に眠る自然エネルギーの最優良活用方法と言える。実際47都道府県中18都道府県に地熱発電所がある。残念ながら当地青森には無いが東北のほとんどの県に地熱発電所がある。当然のことながらやはり大分県には非常に多くの発電所が存在する。中でも別府市は突出しており30余箇所の発電所がある。名称しか分からないが、個人の病院がされているようなものもある。また「業務スーパー」がこの地熱発電に力を入れているニュースを観たことがある。
工夫
昔沖縄に住んでいたことがある。名護市にある全寮制の中学校で働いていたためだ。名護に住んでいた時期が丁度「九州沖縄サミット」が開催される前後で名護市がとても活気付いていた。全国から自衛官や警察官が沖縄入りし空き地のようなところにテントを張って数ヶ月暮らし、プレスも入ってきたので普段に増して異国情緒あふれる街になった。そのような頃の話なので現在は状況が違うがひとつの参考として。名護市役所は1981年に完成した古い建物である。
およそ市役所には見えない外観は注目の的となっていた。名護市にある55の集落があり、それに市役所の1を足した56体の「シーサー」が建物の外壁沿いに設置されていた(現在は落下の危険などから全て撤去されている)。
この名護市役所には九州沖縄サミットまでクーラーが無かった。実際には数カ所設置されていたのかもしれないが、基本的には無い。「沖縄=暑い」というイメージがあるが確かに直射日光の日差しは非常に強い。帽子を被らなければ命の危険を感じるほどである。帽子をかぶる習慣のない自分はいつもタオルを巻いていた。暑いことは暑いのだが風もまた強い。常に強い風が吹いているので必ず「風の通り道」がある。直射日光を遮り風の通り道を活用すれば真夏でもクーラーは必要ない。実際沖縄の古民家を訪ねてもクーラーが無いのに非常に過ごしやすい。クーラーに限らず「電気を使わない、できるだけ使わない方法」を考えることも大切だと思う。エネルギーについて、地球人として個人個人が何かを考え行動しなくてはならないと感じている。
聖書研究ガイド22年3期1課
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