母
先日、姉の呼びかけで姉弟とLINEにて話した。両親のことを全て姉に任せてしまっているのでいつも申し訳ない気持ちでいる。母の病状のことだった。脳梗塞とコロナの中にあっても神様が特別に命をつなぎ止めてくださり今も何とか生きている。しかし最近は食が細くなっているという。食が細いというより食べることを拒否しているようだ。もう生きる気力がなくなってしまったのか。今後のことを話し合い、また3人で祈った。
手紙
以前、「手紙~親愛なる子供達へ~」という詩を紹介してもらったことがある。その時は今と状況が違っていたので「良い詩だな」ぐらいの感想しか持っていなかった。しかし、今この詩を読むと一言一言が心に刺さってくる。母が今まで自分にしてくれたことをひとつひとつ思い出してみた。でも自分が覚えていないことや知らなかったことも母の記憶にはあるのだろう。そしてその記憶は認知機能の低下でもう消えてしまったかも知れない。それでも良い。母がいてくれれば。
「手紙 -親愛なる子どもたちへ-」
年老いた私が、ある日 今までの私と違っていたとしても
どうかそのままの私のことを理解して欲しい
私が服の上に食べ物をこぼしても、靴ひもを結び忘れても
あなたに色んなことを教えたように、見守って欲しい
あなたと話す時 同じ話を何度も何度も繰り返しても
その結末をどうかさえぎらずに、うなずいて欲しいあなたにせがまれて、
繰り返し読んだ絵本のあたたかな結末は、
いつも同じでも、私の心を平和にしてくれた
悲しい事ではないんだ・・・
消え去ってゆくように見える私の心へと 励ましのまなざしを向けて欲しい
楽しいひと時に 私が思わず下着を濡(ぬ)らしてしまったり
お風呂に入るのをいやがるときには思い出して欲しい
あなたを追い回し 何度も着替えさせたり 様々な理由をつけて
いやがるあなたとお風呂に入った 懐かしい日のことを
悲しい事ではないんだ・・・
旅立ちの前の準備をしている私に 祝福の祈りを捧(ささ)げて欲しい
いずれ歯も弱り 飲み込む事さえ出来なくなるかも知れない
足も衰えて、立ち上がる事すら出来なくなったなら
あなたが、か弱い足で立ち上がろうと私に助けを求めたように
よろめく私に、どうかあなたの手を握らせて欲しい
私の姿を見て、悲しんだり 自分が無力だと思わないで欲しい
あなたを抱きしめる力がないのを知るのはつらい事だけど
私を理解して 支えてくれる心だけを持っていて欲しい
きっとそれだけで、それだけで私には勇気がわいてくるのです
あなたの人生の始まりに、私がしっかりと付き添ったように
私の人生の終わりに、少しだけ付き添って欲しい
あなたが生まれてくれたことで、私が受けた多くの喜びと
あなたに対する変わらぬ愛を持って、笑顔で答えたい
私の子どもたちへ
愛する子どもたちへ
ありがとう
原作詞:不詳、訳詞:角智織、補足詞・作曲:樋口了一
妻
心に刺さる詩を読みながら、何故か妻のことを考えていた。次男との電話で妻が子どもにしてくれていることを知ることができる。妻が自分のことを顧みず子どものために必死になってくれている。母が私にしてくれたように。妻と母が重なって見えた。
無性に「ありがとう」と大声で言って泣いてみたくなった。
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