パウロ

葛藤

これらすべてのことが声を大にしてサウロの心を動かし、時には、イ エスこそ約束のメシヤだという、抗しがたい確信が彼の心を突き通した。 そのようなとき彼は幾夜もこの確信に抵抗してもがき、いつでも、イエ スはメシヤではなく、彼の信者たちも惑わされた狂信者だという自己の 信念を公言することによって内心の葛藤をしずめていた。

いまキリストはサウロにみずから声をかけ、「サウロ、サウロ、なぜ わたしを迫害するのか」と言われた。そして「主よ、あなたは、どなた ですか」と尋ねると、同じ声が「わたしは、あなたが迫害しているイエ スである」と答えられた。ここでキリストは、ご自身をその民と同一視 しておられる。キリストに従う者たちを迫害した時、サウロは直接、天 の神にたてついていたのである。キリストの弟子たちを告発し、彼らに 敵して偽証を言いたてた時、サウロは世の救い主に対して同じことをし ていたのである。

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苦悶の3日間

サウロは3日間「目が見えず、また食べることも飲むこともしなかっ た」。この魂の苦悩の日々は彼にとっては長い年月のようであった。ステ パノが殉教した時に自分が受け持った役割を、彼は苦悶しながら何度も 思い出した。ステパノの顔が天の光に照らされていた時でさえ、祭司や 役人の悪意や偏見に彼自身ふりまわされてしまった罪を、ぞっとする思 いで思い出した。最も印象的な出来事に目や耳をふさいでいたこと、ナ ザレのイエスを信じる人々への迫害を冷酷にせき立てたことが幾たびあ ったか、サウロは悲しみに打ちひしがれながら繰り返し数え上げた。

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服従

サウロは聖霊の罪を認めさせる力に全く屈服した時、自分の人生の過 ちを知り、神の律法の広範囲に及ぶ要求を認めた。自分の良い働きによ って義とされると確信していた高慢なパリサイ人であった彼は、いま謙 遜に幼な子のように単純な気持ちで神のみ前にぬかずき、自己の無価値 さを告白し、十字架にかけられ、よみがえられた救い主の功績を、自分 のために懇願した。サウロはみ父やみ子との完全な一致と霊的な交わり に入りたいと思い、自分がゆるされて、受け入れられるようにと切に願 って、恵みの座に熱心な祈りをささげた。

このパリサイ人の後悔の祈りはむだにはならなかった。彼の心に奥深 くあった思想と感情は、神の恵みによって変えられた。彼のより高貴な 才能は神の永遠の目的に調和していった。キリストとその義は、サウロ にとって全世界よりも価値のあるものとなった。

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選ばれた器

サウロの改宗の記録の中に、われわれが常に心に留めておかなければ ならない重要な原則が与えられている。サウロはキリストのみ前に直接 に導かれた。彼こそキリストが最も大事な仕事をゆだねようとされた人、 主のために「選ばれた器」となる人であった。しかし神はゆだねておら れた仕事を、すぐには彼にお告げにならなかった。神はサウロを道の途 中で捕らえて、罪を認めさせられた。しかしサウロが「なすべき事」を 尋ねた時、救い主はこの探求心の強いユダヤ人をご自分の教会に引き合 わされ、そこで彼に対する神のみこころをお知らせになった。

サウロの心のやみを驚くべき光で照らしたのは、主のお働きであった。 しかし弟子たちにも、サウロのためにしなければならない働きがあった。 キリストは啓示し罪を悟らせる働きをなさった。今この悔い改めたサウ ロは、神の真理を教えるよう任命された人々から、教えを聞く用意がで きていた。

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アナニヤの働き

サウロは盲目的な誤りと偏見のさ中に、彼が迫害していたキリストの 啓示を与えられたとき、世の光である教会と直接交わることができるよ うに導かれた。この出来事においては、アナニヤはキリストを代表し、 また、地上において主の代わりに行動するよう任命されている、キリス トの使者たちを代表する。キリストの代わりにアナニヤは、サウロの目 が見えるようになるために、彼の目に触れる。彼がキリストの代わりに サウロの上に手を置き、キリストのみ名により祈ると、サウロは聖霊を 受ける。すべてのことはキリストのみ名と権威においてなされるのであ る。キリストは源泉であり、教会はその伝達経路である。

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