もうひとつの母の日

激痛

514日未明、腹部と背中に激痛を感じて飛び起きた。恐らくいつもの痛みだと思い水を飲んでまだ暗い那覇の街を歩いた。時々起こる尿管結石の痛みだと直感した。この激痛が始まると24時間ほど苦しむ。痛みと闘いながらもできることは水を飲んで歩いたり縄跳びをすることぐらい。まともに歩けないほどの痛みだが横になっていても痛みがおさまるわけではないので壁や手すりを探しながらただ歩く。やっとの思いで家に戻りうずくまっていると、早起きの次男が容赦なく身体の上に乗ってきたりして甘えてくる。ごめんね、と謝りながら状況を説明すると心配しながら部屋を出て行った。結局、一日中ほとんど次男と顔をあわせることなく母の日を過ごした。前日に作った母の日カードを次男に渡した。本人なりの演出を考えてカードをお母さんに渡したらしい。

満足していない

翌日、月曜日になって少し痛みも落ち着き前日の様子を妻から聞いた。カードだけでは満足できず、花かハンカチをプレゼントしたかったようだ。

妻と相談してもう一度母の日をやり直すことにした。小学校から帰ってきた次男に、特別アルバイトの話を持ちかけた。家に何台かある扇風機の掃除をしてくれるようにお願いした。普段は決してしないが今日は特別にアルバイト代をあげるのでお母さんにプレゼントを買ってあげたら?と提案すると喜んでその話に乗ってきた。

ハンカチ

何でも自分でやらないと気が済まない難しいお年頃。アルバイト代の1000円を持ってショッピングモールに行くと

「プレゼントは僕が選ぶからパパはアドバイスしないでね」と念を押された。はじめは花も候補に上がっていたがハンカチにした様子。妻の喜びそうな色、柄のハンカチを3点に絞って見比べている。可愛くて可愛くて後ろからハグしたくなる衝動を必死に堪えた。しばらく悩んでやっと一枚のハンカチを選んだ。レジに持って行き会計をしてラッピングをお願いしていた。ラッピングが終わるまで少し店内を見ていたら、洋服大好きの次男が何かを見つけてきた。長袖のパーカーである。欲しそうにしていたので、そちらも購入した。

演出

ハンカチを買ったことは内緒にして家に戻り夕食を済ませた。いよいよお母さんにプレゼントを渡す。作戦を立てたい、と部屋に呼ばれた。買ったばかりの洋服を着て渡したいようだ。着替えると髪の毛まで整えている。彼女にプロポーズする勢いにまたまた可愛さを感じた。独特のワールドを持つこの子には、決してこの世界は生きやすいところでは無い。毎日毎日色々なところで傷つき悲しみ、心が乾いてしまうことも多々あるのだと思う。そんな子がお母さんへの感謝を表現するためにできる限りの事をしている様子に胸が熱くなり込み上げてくるものがあった。

計画の一部始終を知っている妻も泣いていた。亡き母を思い、尿管結石の痛みの中で寂しさを感じて過ごした母の日ではあったが、翌日には次男のお陰で感動的なもうひとつの母の日を過ごさせてもらった。

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