健康診断
今日は院内の健康診断の日だった。院内での健康診断は先週から始まっており毎日3,4人の職員が検診を受ける。今日が自分の順番だった。外来患者さんがいる中での検診なので放置されることが多くそれほど多い項目では無かったが半日かかった。今までは検診センターが職場まで来てやってくださっていたのでスタッフの数も多く機器も人間ドックさながらのものばかりであったが、ここではかなり古い機材を無理やり稼働させ行っているようで昔を思い出す良い機会となった。視力検査は片目をスプーンみたいなもので隠すものだったし、エコーや胃部バリウムX線検査、眼底検査などは行われなかった。聴力検査はヘッドホンからの音よりも室内の換気扇の音がうるさくて少し苦労した。視力検査は支持棒で開いている部分を隠しているので全く分からなかったが、途中から要領を得て隠している方向を答えると正解になることを発見した。とてものどかな検査でホッとしたが、年齢が年齢だけにどこかで人間ドックをきちんとしようとも思った。
カミングアウト
検診の最中だったが、自分には20代半ばの男性看護師が付き添って検査をしてくれた。毎日顔をあわせるS君である。誰に対してもそうであるが彼に対しても常に敬語で話すようにしている。少しぶっきらぼうなところはあるが優しくなかなかの技術も身につけている青年である。彼が心電図検査をするために小さな部屋に案内してくれた。半年以上いる職場だが初めて入る部屋だった。慣れた様子で心電図検査を行ってくれた。検査の後にS君が「教員は、どれぐらいの期間されていましたか」と聞いてきたので「34年間やっていました」と答えると、「先生という職業の人にどうしても聞いてみたいことがあったのですが質問してもいいですか?」と話しはじめた。
「気づいているかもしれませんが、実は僕発達障害なんです」
別に驚くことでも、珍しいことでもない。そして彼は自分の生い立ちや発達障害によって苦労したこと、現在持っている悩みなどを話してくれた。彼が自分に聞きたかったのは「教育現場では発達障害の子どもをどのように扱うのか、またどのように関わるのか、更に彼らに対してどのような評価をするのかを教えてください」ということだった。
確かに発達障害を感じさせる生徒は今まで何人もいた。県内の教頭会でも発達障害の可能性がある子に検査を受けさせるにはどうしたらよいか、というディスカッションもしたことがある。しかし、当時から自分にはあまり興味のない話題だった。そして、自分の子どもが発達障害の可能性があることを知ってからはいよいよどうでも良いことになった。発達障害か否かを知ることがそれほど重要なことなのだろうか。それを知らないと適切な教育が施せないのだろうか。勿論発達障害について専門的な学びをしている教員も多いし、そういう方に頼る方がお互いに幸せなのかもしれない。が、自分はそうは思わない。
S君にはそのあとで手紙を書いた。彼は患者さんからも「若くて優しいお兄ちゃん」「飾りっ気がなく話していてホッとする」「注射が上手な看護師さん」と評されている。そんなことを書いて彼のメールボックスに入れておいた。
どうでも良い肩書を背負わないでありのままの自分自身で生きて欲しいと心から願う。特に若い世代にはそう思ってしまう。頑張れ、S君!
聖書研究ガイド21年4期7課
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