因数分解と素因数分解
現在、ひとりの中学生と一緒に勉強している。科目は数学が中心になっている。先日中学3年生の因数分解を学んだ。その少し前に「素因数分解」も学んだ。よく聞くこれらの言葉だが、この単元をどのように理解してもらうかを考えていた。自分が解けても、生徒自身が解けなければ意味がない。無い知恵を絞って教案を考えてみた。
素数と素因数分解
3という数が「どのような数からできているか」を考える。「どのような数からできているか」とは「どのような数を掛け算しているか、という意味。
例えば3
3=3×1と分解できる
もうひとつの例 8
8=2×4 と分解できる。が、ここで4は
4=2×2 と更に分解することができる。もうこれ以上分解できない(その数と1でしか割れない)状態になった数を「素数」という。
素因数分解とは「もうこれ以上割り切れない」という数を掛け算のかたちにしたもののことをいう。
(やりかた)
素数は小さい順に2,3,5,7,11,13,17,19・・・と続く。素因数分解したい数を2から順に素数で割っていく。最終的に割った素数を掛け合わせた形が素因数分解の答えとなる。
2 )16 (素数2で割ったら)
2 ) 8 (商は8、これはまだ素数2で割れるので)
2 ) 4 (商は4、これはまだ素数2で割れるので)
2 (商は2、これは素数でこれ以上割れないから・・・)
16=2×2×2×2となる
因数分解
定数を素因数分解できた。今度は文字を含む式が分解できるか(素因数分解同様掛け算の形に変形できるか)を考えてみる。ここでは素数に分解するのではなく( )の掛け算の形にするので「素数に分解する」とは言わず「因数に分解する」という。因数に分解するから「因数分解」という。式を掛け算のかたちにできると今後方程式を解いたり関数を解析するのに非常に役立つ。
因数分解の方法1「共通因数を見つける」
例えば次のような式を考える
3ab2+12a2b
ひとつずつ項をみていくと
3ab2=3×a×b×b
12a2b=3×2×2×a×a×b
ここで両方に共通しているものは
3×a×b=3ab ここれを「共通因数」と言い、これを使って掛け算の形にすると3ab(b+2×2×a)
=3ab(b+4a)
となる。これが因数分解の解である。
因数分解の方法2「たすきがけ」
例えばx2+4x+3という二次式を考えてみる
x2の係数が1なので、
- まず定数項に着目
掛けて3になるふたつの数をイメージする 3×1
- 次にxの係数に着目
掛けて3になるふたつの数のうち(この場合は1組しか無い)足して4になる組み合わせを考える 3+1
- すると+3と+1が上記条件にあうので
x2+4x+3=(x+3)(x+1)と因数分解できる
慣れてしまえば直感的にできるようになるがふたつの数のプラス、マイナスまで含めると少し混乱する場合がある。なので慣れるまでは次のルールを知っておくと良い。
- 定数項が+、xの係数も+
x2 + 9x + 20 = (x + 5)(x + 4) 両方ともプラス
- 定数項が+、xの係数が−
x2 − 5x + 6 = (x−3)(x−2) 両方ともマイナス
- 定数項が−、xの係数が+
x2 + 2x−15 = (x+5)(x−3) 大きい方がプラス
- 定数項が−、xの係数も−
x2 − 5x −24 = (x−8)(x+3) 大きい方がマイナス
- 2乗の形になる場合もあるので注意が必要です
x2 + 10x + 25 = (x + 5)(x + 5)=(x+5)2
因数分解の方法3「和と差の積」
例えばx2-25の場合
1次のxに関する項が無く、定数項が2乗の数になっている場合、和と差の積を使うことができる。
x2-25 = x2-52
=(x+5)(x-5)
これはたすき掛けよりも容易に解けることが多い。ただし定数項が100を越えると急に解けなくなる。次の2乗の数を覚えておくと良い。
102=100
112=121
122=144
132=169
142=196
152=225
162=256
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