かつての日常
色々な出来事満載の2泊3日広島の旅も終わってしまった。先ほど青森空港から遠回りをしてアパートに戻ってきた。今日は広島も東京も5月中旬並みの暖かさということで、青森とは15℃くらいの気温差があった。広島を出発した時にスーツケースに収めたコートだったが青森空港に到着してすぐにそれを取り出して着ようと思ったほど寒かった。車までわずかな距離なので結局そのままスーツ姿で駐車場に向かった。あまりのも寂しすぎて、また悲しすぎてすぐに家に戻る気になれずあてもなくブラブラと走ってから家に着いた。
今回宿泊したホテルは広島空港から近いホテルだった。住んでいた頃は空港からこのホテルまではわけない距離だったが、今回ホテル、空港間をタクシーで移動し片道2000円ほどかかることが分かった。このホテルは天然温泉が完備されており、宿泊者以外でも温泉利用のみ利用することができる。地元に住んでいた頃は何度も行った、ある意味日常的な場所だったがそれがそうでないことに大きなショックを受けた。妻や子どもたちの航空券やホテルの手配も自分がしたが、後付けで自分も広島に行くことになり同じホテルを予約した。同じホテルに家族が3部屋に分かれて宿泊していたのだ。だから、この間に再臨が来て欲しかった。その願いも虚しく、今朝ホテルを後にした。自分以外は沖縄便なので少し遅出になる。自分は東京経由で、しかも10時台の飛行機が欠航になってしまったので一足早くひとりでホテルを出ることになった。「本当は空港まで送りたいけど○○(次男)が昨晩から泣き続け父親を追ってしまうのでひとりでタクシーで帰ってください」と妻からLINEがきた。当然である。妻にはレンタカーも一緒に予約しておいたのでせめて帰りは送らないと悪いと思ってくれたのかもしれない。それだけで十分である。妻がチェックアウトの時に受け取れるようにとガソリン代をフロントに預けてホテルを後にした。
断腸のおもい
ホテルを出るのは決して楽ではなかった。自分は他の男性に比べて泣き虫で堪えることができない。それを自覚している。昨晩から涙が止まらないのだ。朝のLINEで次男が「パパがいなくなった」とずっと泣いている様子が伝えられ本当に苦しかった。というか次男より自分の方が泣いている。タクシーに乗っても飛行機に乗っても涙が溢れた。子どもをハグした感触がまだ残っている。手を繋いだ温もりが残っている。子どもの声が耳に残っている。ほんの少しその残った感覚に心が向くとすぐに涙が溢れてしまう。断腸のおもいってこういうことをいうのかな?と実感した。
まだ一緒に住んでいた頃、次男とじゃれあっている時によくやることがあった。次男を両足と両腕で固定して動けなくしてしまう、通称ロック。そして寝たふりをするのだ。次男はそのロックを解こうと必死に抵抗する。「パパ、放して」と言うと自分が「もうロックされたので放せません」とこたえる。そんなくだらないことをよくしていたのだが、昨晩次男が「パパ、ロックして」と言って来た。そんなこと、まだ憶えているのかと驚いたが御注文通りロックした。初めは「きゃー」と言いながら喜んでいたが、すぐに次男が肩を震わせて泣いていることに気づいた。お互いこんなに大好きで愛し合っているのに、何故花江離れになるのかよくわからない。自分も泣き崩れた。妻からは「子どもの前で絶対に泣くな」と言われていたので何とか約束を守ろうとしたが無理だった。
できること
こう言うことになるから広島に行くことは気が進まなかったのだ。家族と上手に別れられる自信がなかった。楽しくも夢のような時間を過ごしただけに、それが終わることがこれ以上ない地獄に思えた。そして今もずっと涙を流し続けている。世の中には、二度と我が子に会うことができない方もいらっしゃる。そのような方に比べたら自分なんて大したことないと思う。そして子どもや妻のために祈ることができるのは大きな祝福であり幸せだと思う。これから、神様がどのようなご計画をもって導いてくださるかは分からないが、寂しくなった時や悲しくなった時は家族のために必死に祈ろうと決心した。それしかできない。
人の目から涙を全くぬぐいとって下さる。もはや、死もなく、悲しみも、叫びも、痛みもない。先のものが、すでに過ぎ去ったからである」。
And God shall wipe away all tears from their eyes; and there shall be no more death, neither sorrow, nor crying, neither shall there be any more pain: for the former things are passed away.
ヨハネの黙示録21:4
使徒行伝シリーズ 17「大地を揺るがす祈り」 花田 憲彦 牧師 2021-09-18
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