早朝のひと時
夜中に何度も目が覚め、結局4時前に起きた。どうも心が落ち着かない。全ての重荷を神様に委ねているつもりだがまだ自分の手で担ごうとしているのだろうか。聖書を読み祈った。姉から連絡があった。夜中や早朝の連絡に良いものはあまりない。案の定、母のことだった。全身状態が悪く下痢嘔吐を繰り返しているという。ADL全介助とのこと。不安で仕方ない。すぐに駆けつけたいところだが、今職場はコロナ感染の第二波で苦しい状況にある。スタッフ数名もコロナに感染し、またそのほかの事情で欠勤している方やしばらくお休みする可能性がある方がいらっしゃる。本当は休診しないといけない状況だと思うが診察、透析治療は通常通り行われているため職員も疲弊しきっている。今回は自分も感染しそうな気がして恐ろしい。前回も母に会えず、また今回もそうなるのかもしれない。このままの状態ではいけないとずっと思って来たが決断の時が来たことを感じている。
母のこと、新しい仕事のこと、今後の生活のことなどを考え落ち着かない気持ちだったが祈り、またマルチンルーターに関する書物を読んで朝の時を過ごしていた。
ルターの信仰が欲しい。どのような状況の時にも「われ、ここに立つ」と言って常に神様の側を選べる信仰が欲しい。
議会からの召集
次に議会は、ルターが彼らの前に出頭することを要求した。アレアン ダーの嘆願、抗議、威嚇にもかかわらず、皇帝はついにこれに同意し、 ルターは議会に出頭する命令を受けた。召喚状とともに、無事帰国する ことを保証した通行券も発行された。これらは、彼をウォルムスに連れ てくる命令を受けた使者が、ウィッテンベルクに持って来た。
ルターの友人たちは、恐れ悲しんだ。彼らは、ルターに対する敵の偏 見を知っていたので、彼の通行券さえ空文に帰すのではないかと懸念し、 危険に身をさらさぬようにと願った。ルターは、次のように答えた。「法王教徒たちは、わたしがウォルムスに来ることを望まず、ただ、わ たしの断罪と死を求めている。それはかまわない。わたしのためでなく、 神のみ言葉のために祈ってほしい。・・・・キリストは、これら誤謬の使者 たちに打ち勝つように、み霊をわたしに与えられるであろう。わたしは 一生彼らを軽べつする。わたしは死によって彼らに勝利するであろう。 彼らはわたしに取り消しを強いようとして、ウォルムスで忙しく働いて いる。そして、わたしの取り消しは、こうである。わたしは以前、法王 はキリストの代理であると言った。今、わたしは、法王はキリストの敵 であり、悪魔の使徒であると断言する。」
各時代の大争闘電子版p138,139 われここに立つ
ルターの答弁
ルターは、皇帝の玉座のすぐ前の位置に案内された。満員の議会が静 粛になった。そこで、式部官が立ち上がり、積み重ねられたルターの著 書を指さして、ルターに2つの質問に答えることを要求した。すなわち、 彼が、これを彼の著書と認めるかどうか、また、その中で論じた主張を取り消すかどうか、ということであった。彼の著書の名が読み上げられ、 ルターは、第1の質問に対して、それらの書物が彼のものであることを 認めた。「第2に関しては、それが信仰と魂の救いに関する問題であり、 天においても地においても、最大で最も尊い神の言葉を含むものであり ますから、よく考えずに答えることは慎重を欠くことになります。わた くしは、事情の要求に十分答えず、あるいは、真理の命じること以上を 述べて、『人の前でわたしを拒む者を、わたしも天にいますわたしの父の 前で拒むであろう』というキリストの言葉に対して罪を犯すことになる かも知れません(マタイ 10:33)。このために、わたくしは、神のみ 言葉に罪を犯さずに答えることができますよう、時間が与えられること を、陛下に伏して懇願いたします」と彼は言った。
各時代の大争闘電子版p144 われここに立つ
翌日、彼は最後の答弁をするために現れることになっていた。一時、彼は、真理に対抗して結束した勢力のことを考えて、気がめいった。彼の信仰は揺らぎ、彼は恐怖と戦慄に襲われ、恐怖感に圧倒された。彼の 前に危険は増大した。彼の敵は、まさに勝利しようとしているように見 え、暗黒の勢力がまさに勝とうとしているように思われた。彼の回りに は暗雲がたれこめ、彼を神から引き離すように思われた。彼は、万軍の 主が彼と共におられるという確証を熱望した。彼は苦悶のあまり、地の 上に突伏して、神のほかはだれにも理解できないところの、切れ切れの 悲痛な叫びをあげた。
彼は嘆願した。「ああ、全能で永遠の神よ、この世界はなんと恐ろしいことでしょうか。世は口を開いて、わたしをのみこもうとし、しかもあなたに対するわたしの信仰は、まことに弱いのです。・・・・わたしがこの世の力だけに信頼しなければならないのなら、万事は終わりです。・・・・わたしの最後の時が来ました。わたしはすでに有罪の宣告を受けました。・・・・ああ、神よ、世のすべての知恵に対抗してわたしを助けてください。・・・・あなただけが・・・・わたしをお助けください。これはわたしの業ではなく、あなたの業だからです。わたしには何もできません。これら世の偉大な人々と闘うものは何もありません。・・・・しかし、この事業はあなたのものです。・・・・しかもそれは、正しくて永遠の事業です。ああ主よ、わたしをお助けください。真実で不変の神よ、わたしは人には信頼を置きません。・・・・人間はすべて不確かで、人間のものはみな失敗に終わります。・・・・あなたはわたしを、この仕事のためにお選びになりました。・・・・わたしの力、盾、わたしの高きやぐらであられる愛するみ子イエス・キリストのゆえに、わたしのそばに立ってください。」
全知の神の摂理は、ルターが自分の力に頼って僣越に危険の中に飛び 込まないように、その危険をルターに自覚させられた。しかしそれは、 目前に迫るように思われた苦難や、死の拷問の恐怖が、彼を圧倒したの ではなかった。彼は危機に直面していた。そして彼は、それに対する自 分の無力さを感じたのであった。
各時代の大争闘電子版p145 われここに立つ
神様のおまもり
神は、ルターを庇護する策略をたてるように、ザクセンのフリードリヒ 侯に知恵を授けられた。選挙侯は、誠実な同志の協力によって目的を達 成した。そしてルターは、敵からも味方からもうまく隠されたのである。 ルターは、帰る途中捕えられて、従者たちから引き離され、森林の中を 急いで通過し、人里離れた山のとりでであるワルトブルクの城に連れて いかれた。彼の逮捕と潜伏とは極秘のうちに行われたために、フリード リヒ自身でさえ、彼がどこに連れていかれたかを長い間知らなかった。 これは、計画的に、侯には知らされなかったのであった。つまり、実際 にルターの居場所を知らぬかぎり、聞かれても答えられなかったからで ある。彼は、ルターが安全であるということだけで満足であった。春、夏、秋が過ぎて冬になったが、ルターはまだ捕われの身であった。アレアンダーと彼の徒党は、福音の光が消えてしまったように見えたので勝ち誇った。しかし、そうではなくて、ルターは真理の宝庫で、彼の 燈 に油を満たしていた。そして、その光はますます明るく輝き出るのであ った。ワルトブルクの友好的で安全な場所で、ルターは、闘いの熱と混乱か ら逃れたことをしばらくは喜んだ。しかし彼は、静けさと休息の中で長 く満足していることはできなかった。彼は、活動的生活と厳しい闘いに なれていたので、何もしないでいることはできなかった。こうした孤独 の時に、彼は、教会の状態を思い浮かべ、「ああこの神の怒りの最後の日 に、主の前に城壁となって、イスラエルを救うものがいない」と絶望の 叫びをあげた。39彼は、再びわれに帰って、自分が争闘から身をひいて おくびょう呼ばわりされることを恐れた。そして、自分の怠慢と放縦を 責めた。しかし、それでも彼は、毎日、1人の人の仕事とは思われない ほど多くのことを成し遂げていた。彼は休みなくペンを動かしていた。 敵は彼を沈黙させたと楽観していた時に、彼がなお活動しているという 具体的な証拠を見て驚きあわてた。彼が書いた多くの小冊子が、ドイツ 全土に配布された。彼はまた、新約聖書をドイツ語に翻訳して、彼の同 胞のために最も重要な奉仕をした。彼は、パトモスとも言うべきとりで から、丸1年近くの間、福音を宣布し、その時代の罪と誤りを譴責し続 けたのである。
各時代の大争闘電子版p157 われここに立つ
一時、一人になって
神がご自分のしもべを公的生活の舞台から退かせられたのは、単にル ターを敵の怒りから保護し、また、このような重大な仕事のために静か な時を与えるためだけではなかった。これらよりもさらに尊い経験が与 えられた。人里離れた寂しい山の隠れ家で、ルターは地上の援助と人間 の賞賛から切り離された。こうして彼は、成功にしばしば伴う誇りと自 己過信から救われた。彼は、苦難と屈辱によって、彼が突然あげられた 目の回るような高い所をふたたび安全に歩くことができるよう、準備が与えられたのである。
各時代の大争闘電子版p158 われここに立つ
神にのみ頼る
人々は、真理が彼らにもたらす自由を喜ぶ時に、誤りと迷信の鎖を断ち切るために神が用いられる人々を賞賛する傾向がある。サタンは、人 間の思想と愛情を神から引き離し、人間的器に向けようとしている。彼 は人々を、単なる器に栄誉を帰すようにそして、すべてのできごとを摂 理によって導かれる神の御手を無視するようにとしむける。こうして賞 賛され、あがめられる宗教的指導者たちは、しばしば、神に頼ることを 忘れて自分に頼るようになる。その結果彼らは、神の言葉に頼るかわり に彼らの指導を仰ごうとする人々の、心と良心とを支配しようとするの である。改革事業は、支持者たちのこうした精神のために、しばしば阻 止された。神は、宗教改革運動をこの危険から守ろうとされたのである。 神は、運動が人間の刻印ではなくて、神の刻印を受けることを望まれた。 人々の目は、真理の解説者としてのルターに向けられていた。そこで人々 の目が、真理の本源である永遠の神に向けられるように、彼は引き離されたのであった。
各時代の大争闘電子版p158 われここに立つ
天沼教会2022年12月17日礼拝「あなたに足りないことが1つある」東 清志天沼教会副牧師
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