子どもの涙

電話

寮生活をしている長男は中学3年になった。いよいよ最終学年で受験も控えていることから勉強にも力を入れたい様子。しかし、なかなか思うようには行かないようで勉強の時間が色々な活動や役員の仕事に取られてしまうとのこと。いつも同じような事を悩み電話をしてくるのでその度に励ましてきた。長男は自分には全く似ず非常に真面目な子どもである。手前味噌で恥ずかしいが暇さえあれば愚直に学習する子である。勉強が好きというのではない。勉強が苦手なので分からない事をそのままにしておきたくないのである。また理解に時間が掛かるから人一倍勉強に時間を割かないとついて行けないのである。それをいつも悩んで電話をしてくる。自分は「頑張れ」とは言わない。一生懸命に取り組む姿勢も学習結果の一つだから自信を持つように、必ず数字の成果になって現れる時が来るからそれまで今の姿勢を貫き決して友達と比較しないように、と言い続けてきた。しかし、ついに今日の電話は泣いているようだった。結局沖縄の母親のところに帰ることになった。寮長をしているので学習時間がなかなか取りにくく、それでも勉強について行けないから毎朝4時に起きて学習していたらしい。睡眠時間もずっと4時間程度で頑張ってきたとのこと。長男に言わせれば、学校の先生たちが自分の苦境を理解せず先生が解決しない問題を寮長の自分に押し付けて、もう一方で校長や教頭は今学期の成績が高校進学の要になるから是が非でも頑張って学習するようにとプレッシャーをかけてくるとのこと。子どもの話しか聞いていないので実際のところはわからないが、現在の校長、教頭は生徒の立場でものを考える人たちではないからあながち間違った評価ではないようにも思う。経営面でまずい状態であることは10年以上前から言われていたのに当時の校長はなんど忠告してもお金を使うことしか考えず人件費を削ることなど全くしてこなかったからそのつけを今刈り取っているような状態でもある。また息子曰く食堂の食事が非常に粗悪で食べられたものではないという。2年前から食費を抑えるようになり食材やメニューが大幅に変わりその質も大きく下がった。長男は美味しいご飯で育ったわけではないから贅沢はしない方である。が、その息子が「美味しくなくていいからせめて食べられるご飯を出して欲しい」と涙ながらに訴えていた。子どもに泣かれるのは本当に辛い。本当にこの学校(自分がかつて働いていた学校であるが)は大きく変わってしまった。今や生徒の立場でものを考える教員もほとんどいなくなってしまった。潰れそうな学校なのに誰が偉いだとか、次は自分がリーダーになるとかそのようなことばかり考えている。今の校長が少し前に行っていた言葉が非常に強烈な印象として残っている。「自分が校長としてやって行く以上自分についてこられない人はやめてもらうしかないと思っている。それはそれで仕方ないと思っている」と言っていた。耳を疑った。そこまでの能力がある校長ではない。自分しか見えていないから生徒の涙に気づけないのだと思う。

最大の責任

自分の子どもを傷つけた責任が全て学校にあるとは思っていない。が、しかし今のこの学校は誰に対しても薦めることはできない。学校名は控えるが広島県で全寮制のミッションスクールといえば一行しか無いからすぐにわかるはずである。今この学校を進学先に選ぶのは非常に危険である。学校のことは別として、長男を一番傷つけているのは実は私であり私たち親である。自分はそのことを深く反省し自覚している。夫婦仲が悪く離婚を迫られるような家庭環境の中で子どもが傷つくのは当然である。親のこと、家族のことを気にしながら寮で生活することの不安感は計り知れないものがある。それなのに長男の気持ちを無視して親が好き勝手に自分を主張し続ける。これこそが一番子どもを傷つけている行為である。実は学校のせいでは無い。目に入れても痛くないほど可愛い我が子、この子のためならためらうことなく命を差し出すことができる。そんな愛しい子どもを愛しながら傷つけているのである。本当に愚かである。そのような自分が情けなくなる。とにかく今できることは祈ること。そして子どもを全面的に支えることだけである。願わくは神様が息子と片時も離れず共にいてくださいますように。
Libera – Far Away (Subtitled) (solo by Tom Cully)
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