アポロ
この時、「アレキサンデリヤ生れで、聖書に精通し、しかも、雄弁な アポロというユダヤ人が、エペソにきた」。彼はバプテスマのヨハネの説 教を聞き、悔い改めのバプテスマを受けていて、預言の働きがむだでな かったことを示す生きた証人であった。アポロについての聖書の記録に よると、彼は「主の道に通じており、また、霊に燃えてイエスのことを 詳しく語ったり教えたりしていたが、ただヨハネのバプテスマしか知っ ていなかった」。
ところで、彼はエペソで、「会堂で大胆に語り始めた」。聞いていた者 たちの中にアクラとプリスキラがいたが、この2人は彼がまだ福音の光 を十分に受けていないことに気がつき、「彼を招きいれ、さらに詳しく神 の道を解き聞かせた」。この2人から教えられて、アポロは聖書について のいっそう明らかな理解を得、キリスト教信仰の最も有能な主唱者の 1人になった。
患難から栄光へ電子版p204 植える者と水を注ぐ者
植える者、注ぐ者
パウロが既に真理の種を植えていたが、今、アポロはそれに水をやったのである。福音の宣教にアポロは成功したが、このためにある信者たちは、アポロの働きをパウロの働きよりもほめそやすようになった。このように人と人を比較することで教会に党派心が生じ、福音の進展が非常に阻まれそうになった。 パウロは、コリントで過ごした1年半のあいだ、つとめて福音を単純に説いてきた。「すぐれた言葉や知恵を」携えてコリント人のところに行 ったのではなく、恐れと不安を抱きながら「霊と力との証明に」より、 「神のあかし」を宣べ伝えたのであった。「それは・・・・信仰が人の知恵に よらないで、神の力によるものとなるためであった」(Iコリント 2: 1、4、5)。
患難から栄光へ電子版p205 植える者と水を注ぐ者
選り好み
福音の働き人たちをご自分の使者として送り出すお方は、聴衆の中に、 だれか気に入りの牧師に対する愛着が非常に強くて、他の教師の働きを 受け入れたがらない様子が見られる時に、はずかしめを受けられる。主 は神の民に、必ずしも彼らの選ぶとおりにではなく、ただ彼らの必要に 応じて、助け手を送られる。人間の見方は近視眼的で、自分たちにとっ て最上のものを見分けることができないからである。教会を、キリスト 教のすべての要求において完全なものとするのに必要な資格を、1人の 牧師がすべて備えていることは、めったにない。そこで神は他の牧師た ちを送られる。おのおのが、他の人たちには不足している何かの能力を 持っているのである。
患難から栄光へ電子版p210 植える者と水を注ぐ者
イエスの共同体
パウロとアポロは完全に一致していた。アポロはコリント教会内の不 一致に失望し、悲しんだ。彼は、自分に対して示された特別な好意を利 用もしなければ、それを助長するようなこともしないで、急いでこの争 いの地を去った。のちになってパウロが、コリントをもう1度訪れるよ うにすすめた時にも彼はことわり、ずっとのちになって教会の霊的状態 がよくなるまでは、2度とそこで働かなかった。
患難から栄光へ電子版p213 植える者と水を注ぐ者
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