命の重さ

バス置き去り事件

また起こってしまった。静岡県のあるこども園にて3歳の女児が園バスに置き去りにされぐったりした状態で発見された。5時間放置されていたとのことで病院にて死亡が確認された。死因は熱中症の中でも最も重い熱射病とのこと。今日は青森も気温が高く午後自家用車に乗ろうとしたが暑すぎてしばらく車内に入れなかった。ちなみに気温28度。これよりも数度高い気温で太陽に照りつけられていた車内がどれほどになっていたか、想像しただけで涙が出てくる。登園の出席簿では「出席」扱いになっており事実上点呼が取られていないことも判明した。昨年福岡で同じことが起きたばかりなのに。お子様を亡くされた親御さんはじめおじいちゃん、おばあちゃん、ご兄弟のことを考えたら本当に苦しくなる。自分が親の立場だったら、子どもを失った悲しみから決して立ち直れないと思う。人生を諦めてしまうかも知れない。子どもがいなければ生きている意味を感じないだろう。

解決策

昨年の福岡の事件もマスコミが連日報道し社会的な制裁も受けていたと思う。間もなく公判になると聞いたことがあるが職を失うことにもなる。多くの人が非難の眼でこの園長をみたが事件は再発した。要するに社会的制裁や刑事罰は本人に対する、或いは意識の高い他者に対しては抑止力になるが元来ずさんな意識しかない人には何の抑止にもならなかったということだ。現在の自家用車の安全性は非常に高くなっている。特に高級車に見られる自動運転や危険回避の「見守り機能」は半年ごとに進化しているように感じる。そうやって高い安全性をアピールして車を売っていく。人の安全が先なのか企業の利益が先なのかは分からないがとにかく利益を追求することが安全システムの発展につながっている。企業の利益よりも人の命はもっと重いと考えている。ならば園バスには「人感知システム」なるものを搭載することを義務付けるなどの措置はとれないものだろうか。赤外線で人やペットを感知しエンジンを切ると「人が残っています」などの警告が音声で出るようなシステム。これは老健施設や患者さんを乗せる車にも必要だと思う。

教員時代にある自動車会社の見学に行ったことがある。色々な説明をしていただいたが、1990年代中頃から交通事故による死者が目に見える形で減少した。これはエアバッグ搭載車が一般車に普及したためだと聞いた。真の技術、システムの発展は人を生かすものと信じている。

教育現場において

前出の園バスの件だが、子どもさんを預かる仕事はどれだけ注意していてもトラブルは起きる。そして園児、児童、生徒、学生を傷つけてしまう。教員が傷つけてしまうのだ。自分も多くの生徒さんを傷つけてきた。自覚しているものもあるが、自覚していないものはその何倍もあるのだと思う。だから熱心に祈らないと失敗してしまう。自分に酔ってしまえばミスは増える。服装が整っていなければ緊張感が薄れ生徒さんを傷つけてしまう。取り返しのつかない失敗をしたこともある。教員という立場にあぐらをかくことなく、教員であることに緊張感を持ち真剣に臨まなければ私のようになってしまう。

アロン

出エジプトの民をカナンの国境近くまで導いたモーセ。モーセを支えたのがアロンだったがいよいよアロンの最期がきた。モーセとアロン、そしてアロンの後継者となるエレアザルがホレブの山にのぼった。3人で登ったが降りてきたのはモーセとエレアザルのふたりだった。アロンはその山で息をひきとった。

ついに、モーセとエレアザルが、ゆっくりと山をおりてくる姿が現われた。し かし、アロンは彼らと一緒にいなかった。エレアザルは、祭司服を身にまとい、 父の聖職を受け継いだことを示していた。人々は悲しみながら指導者のまわりに 集まってきた。モーセは、アロンがホル山上で彼の腕に抱かれて死んだことと、 彼らが、彼をそこに葬ってきたことを告げた。会衆は声をあげて嘆き悲しんだ。 彼らは、何度もアロンを悲しませたけれどもみな、アロンを愛していたのである。 「イスラエルの全家は30日の間アロンのために泣いた」(民数記 20:29)。

イスラエルの大祭司の埋葬に関して、聖書は、簡単に「アロンはその所で死ん でそこに葬られ」た、と記録しているだけである(申命記 10:6)。神の明白な 命令のもとに行われたこの埋葬と、今日の習慣とは、なんと著しく異なっている ことであろう。現代、高い地位の人の葬式は、虚飾と度を越した誇示の場となっ ている。世界最大の人物のひとりであったアロンが死んだ時には、彼の近親の友 が2人、彼の死を見守り、埋葬に列しただけであった。そして、ホル山上のあの ものさびしい墓は、永久にイスラエルの目から隠されたのである。死者のために は、とかく大げさな行事が行われ、彼らの肉体を土に帰らせるのに多額の費用が かけられるが、それは、神をあがめることにはならない。

人類のあけぼの電子版 p366  エドムを回避して

この情景を想像していたら涙が流れてきた。人の命の重さをもう一度考えさせられた。

20220827礼拝 説教 堀圭佑

 

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