ヤコブの悩みの時4

はじめに

今日も同じ書物からの引用

恐るべき災い

神の民を抑圧し滅ぼそうと計る者たちの上に、神の刑罰がくだる。悪人に対して神が長い間忍耐されたので、人々は大胆に罪を犯している。しかし、彼らに刑罰がくだるのが長い間延ばされているということは、その刑罰が確実なものでないとか、恐るべきものでないという理由には決してならない。「主はペラジム山で立たれたように立ちあがり、ギベオンの谷で憤られたように憤られて、その行いをなさる。その行いは類のないものである。またそのわざをなされる。そのわざは異なったものである」(イザヤ 28:2 1 )。憐れみ深いわれらの神にとって、罰するということは異なったわざである。「主なる神は言われる、わたしは生きている。わたしは悪人の死を喜ばない」(エゼキエル 33:1 1 )。主は「あわれみあり、恵みあり、怒ることおそくいつくしみと、まこととの豊かなる神、・・・・悪と、とがと、罪とをゆるす者」である。しかし主は、「罰すべき者をば決してゆるさず」、「主は怒ることおそく、力強き者、主は罰すべき者を決してゆるされない者」である(出エジプト 34:6、7、ナホム 1:3 )。主は、ふみにじられたご自分の律法の権威を、義の恐るべきわざによって擁護される。罪人を待ち受けている報復がどんなに厳しいものであるかは、主が刑罰の執行に気が進まれないことから判断することができる。主が長く忍ばれ、神の御目にその罪悪の升目が満たされるまではお打ちにならない国民も、ついには憐れみの混じらない怒りの杯を飲むのである。キリストが聖所における彼のとりなしをやめられる時、獣とその像を拝み、その刻印を受ける者たちに警告された、混ぜもののない怒りが注がれる(黙示録 14:9、10参照)。神がイスラエルを救い出そうとされた時に、エジプトにくだった災いは、神の民の最後の救出の直前に世界にくだるもっと恐ろしくもっと広範囲に及ぶ刑罰と類似した性格のものであった。黙示録の記者は、その恐ろしい災いを描写して次のように言っている。「獣の刻印を持つ人々と、その像を拝む人々とのからだに、ひどい悪性のでき物ができた。」「海は死人の血のようになって、その中の生き物がみな死んでしまった。」「川と水の源と(は)・・・・みな血になった。」このような刑罰は恐ろしいものであるが、神の正義は完全に擁護されるのである。神の天使は、次のように叫ぶ。「このようにお定めになったあなたは、正しいかたであります。聖徒と預言者との血を流した者たちに、血をお飲ませになりましたが、それは当然のことであります」(黙示録 16: 2 ― 6 )。彼らは、神の民を死に定めることによって、彼ら自身の手で血を流したのと全く同じ罪を犯したのである。同様に、キリストは、彼の時代のユダヤ人に、アベルの時代からのすべての聖徒たちの血を流した罪があると言われた。それは、彼らが、預言者たちを殺した人々と同じ精神を持ち、同じことをしようとしていたからである。それに続く災いにおいて、「太陽は火で人々を焼くことを許された。人々は、激しい炎熱で焼かれた」(同 16:8、9 )。預言者たちは、この恐るべき時の地上の状態を次のように描写している。「地は悲しむ。これは穀物が荒れはて・・・・るためである。・・・・野のすべての木はしぼんだ。それゆえ楽しみは人の子らからかれうせた。」「種は土の下に朽ち、倉は荒れ・・・・る。・・・・いかに家畜はうめき鳴くか。牛の群れはさまよう。彼らには牧草がないからだ。・・・・水の流れがかれはて、火が荒野の牧草を焼き滅ぼしたからである。」「『その日には宮の歌は嘆きに変り、しかばねがおびただしく、人々は無言でこれを至る所に投げ捨てる』と主なる神は言われる」(ヨエル 1:10―12、17―20、アモス 8: 3 3 )。

神の保護の約束

これらの災いは、全世界的なものではない。さもないと、地上の住民は全く滅ぼされてしまうであろう。しかし、それでもこれは、人類史上かつてなかった恐ろしい災いである。恩恵期間の終了する前に人々の上にくだった刑罰には、憐れみが混じっていた。キリストのとりなしの血によって、罪人はその罪にふさわしい罰を受けずにすんだのである。しかし、最後の刑罰においては、憐れみを混じえずに怒りが注がれるのである。その日に、多くの人々は、長い間軽べつしてきた神の憐れみの保護を受けたいと願う。「主なる神は言われる、『見よ、わたしがききんをこの国に送る日が来る、それはパンのききんではない、水にかわくのでもない、主の言葉を聞くことのききんである。彼らは海から海へさまよい歩き、主の言葉を求めて、こなたかなたへはせまわる、しかしこれを得ないであろう』」(アモス 8:11、1 2 )。神の民は苦難を免れるわけではない。彼らは迫害と苦しみに会い、窮乏に耐え、食物の不足に苦しむのであるが、滅びるままにほうっておかれたりはしない。エリヤを養われた神は、ご自分の献身的な子供たちを1人も見捨てられない。彼らの頭の毛までも数えられるお方が、彼らを保護し、ききんの時にあって満ち足らせられる。悪人たちが飢えと疫病のために死んでいく時に、天使は義人を守り、その必要を満たすのである。「正しく歩む者」には、次のような約束が与えられている。
「そのパンは与えられ、その水は絶えることがない。」「貧しい者と乏しい者とは水を求めても、水がなく、その舌がかわいて焼けているとき、主なるわたしは彼らに答える、イスラエルの神なるわたしは彼らを捨てることがない」(イザヤ 33:15、16、41:17 )。「いちじくの木は花咲かず、ぶどうの木は実らず、オリブの木の産はむなしくなり、田畑は食物を生ぜず、おりには羊が絶え、牛舎には牛がいなくなる。」しかし、主を恐れる者たちは、「主によって楽しみ、わが救いの神によって喜ぶ」(ハバクク 3:17、18 )。「主はあなたを守る者、主はあなたの右の手をおおう陰である。昼は太陽があなたを撃つことなく、夜は月があなたを撃つことはない。主はあなたを守って、すべての災を免れさせ、またあなたの命を守られる。」「主はあなたをかりゅうどのわなと、恐ろしい疫病から助け出されるからである。主はその羽をもって、あなたをおおわれる。あなたはその翼の下に避け所を得るであろう。そのまことは大盾、また小盾である。あなたは夜の恐ろしい物をも、昼に飛んでくる矢をも恐れることはない。また暗やみに歩きまわる疫病をも、真昼に荒す滅びをも恐れることはない。たとい1000人はあなたのかたわらに倒れ、万人はあなたの右に倒れても、その災はあなたに近づくことはない。あなたはただ、その目をもって見、悪しき者の報いを見るだけである。あなたは主を避け所とし、いと高き者をすまいとしたので、災はあなたに臨まず、悩みはあなたの天幕に近づくことはない」(詩篇 121:5―7、91:3―10 )。

悩みの時の信仰

しかし、人間の目から見るならば、神の民は、むかしの殉教者たちのように、まもなくその血をもってあかしに印を押さなければならないように思われる。彼ら自身、主が彼らを離れて、彼らを敵の手に渡されたのではないかと恐れ始める。それは、恐ろしい苦悩の時である。彼らは、昼も夜も神に救いを叫び求める。悪人たちは勝ち誇り、あざけりの叫びをあげて、「おまえたちの信仰は、どうなったのか。もしおまえたちが神の民であるならば、神はどうしてわれわれの手から、おまえたちを助け出さないのか」と言うのである。
しかし、待ち望む人々は、カルバリーの十字架上で死に瀕しておられるイエスを思い出し、祭司長や司たちがあざけり叫んで、「他人を救ったが、自分自身を救うことができない。あれがイスラエルの王なのだ。いま十字架からおりてみよ。そうしたら信じよう」と言うのを思い出すのである(マタイ 27:42 )。すべての者はヤコブのように、祈りのうちに神と格闘している。彼らの顔は、内面の苦闘をあらわしている。どの顔も青ざめている。それでも彼らは、熱烈な懇願をやめないのである。もし人々の目が開かれて、天の幻を見ることができたならば、力強い天使の一団が、キリストの忍耐の言葉を守る者たちの回りに駐屯しているのを見るであろう。天使たちは、優しい同情の念をもって、彼らの苦悩を見つめ、彼らの祈りを聞くのである。彼らは、人々を危機から救出せよという指揮官の言葉を待っている。しかし、彼らは、もう少し待たなければならない。神の民は、杯を飲み、バプテスマを受けなければならない。彼らにとっては非常な苦痛である遅延そのものが、彼らの懇願に対する最上の応答である。彼らが主に信頼して、主がお働きになるのを待とうとする時、彼らは、これまで彼らの宗教経験において、あまりにもわずかしか働かせてこなかった信仰と希望と忍耐を働かせるように導かれるのである。しかしそれでも、選民のために、悩みの時は短くされる。「まして神は、日夜叫び求める選民のために、正しいさばきをしてくださら・・・・(ない)ことがあろうか。あなたがたに言っておくが、神はすみやかにさばいてくださるであろう」(ルカ 18:7 、8 )。終末は、人々が予期しているよりも速く来る。麦は集められ、束にされて、神の倉におさめられる。毒麦は束ねられて、滅びの火で焼かれる。
各時代の大争闘 「大いなる悩みの時」より引用

The First Seven 7: バベルの塔(さばきの時がきたからである)

 

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