止まった時間

家主のいない家

仙台を経由して実家に戻ってきた。父は母の入院先である阿佐ヶ谷の病院近くから実家に戻ってくるが自分の到着の方が早かった。先ほどまで人が生活していた痕跡が随所に残っている。痕跡というより、ただ少しだけ買い物に出掛けて留守にしている、という状態だった。完全に時間が止まっている。家が家主をひたすら待っている。自分には殆ど思い出のない家だけどもうここでは生活できなくなるかもしれない両親のことを思って涙が流れた。

支え

父が戻ってきた。数日実家を離れていただけだがとても嬉しそうにしていた。ただ、「頭の中が空っぽになっちゃって、何も分からないんだよ」と寂しそうに言った。確かに、洗濯をするために着替えさせようとしたが下着がどこにあるのかが分からない。2人で色々と探してみた。母がきちんとタンスに分かりやすくシールを貼ってくれていたからしばらくして見つかった。

「お母さんがこんなことになったから、これからどうなるかね。この家には住めないのかな」と言って俯いてしまった。認知症の母に代わって父が薬の管理や次回の受診日把握などをしていた。父にとっては、母を支えることはとても大変なことだけど、しかしそれが父を支えていたのかもしれない。だから母とわかれてすっかりせん妄状態になってしまったのかも。

母は母で、うまく喋れないのに家に帰りたいと訴えて泣いているらしい。この2人を施設に入居させることは無理だと直感した。

自分にもしも在宅でできる仕事があれば両親と同居できるのだが。兄弟の中で最も転職できそうなのは自分である。しかし、一方で兄弟の中で最もお金が必要なのもまた自分である。在宅ワークで生活できるのかは分からないが、とにかく神様に祈り始めた。

イエス様が一緒

この先の展開が全く分からない。どうなるのか不安もあるが、それを払拭するために祈る。しばらくは良いがまた不安になる。そして祈る。そんなことをずっと繰り返している。

ただ、今日読んでいた書物に凄いことが書かれていた。

どんな時にも、どんな場所でも、どんな悲しみにも、どんな苦しみにも、前途が暗く将来が困難に見えて無力と孤独を感じる時にも、信仰の祈りに答えて、助け主が送られる。この世のすべての友から離れるよう な事情が起こるかもしれない。しかしどんな事情もどんな距離もわれわ れを天の助け主から離れさせることはできない。どこにいようとも、どこへ行こうとも、主はいつもわれわれの右にあって、力づけ、助け、ささえ、励まされる。
各時代の希望電子版 p710  あなたがたは心を騒がせないがよい

「一緒にいる」、「あなたを離れない」、「あなたを捨てない」、こんな言葉を読んだだけで泣けてくる。

私と俺と神様 Mugi Kinoshita

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