聖書
黙示録に「わたしのふたりの証人」という言葉がでてくる。個人あるいは教団教派によってこれについての解釈は違うと思うが、所属する教団ではこの証人を「旧約聖書と新約聖書」と理解している。ヨハネの時代には未だ新約聖書は無いがその基となる思想や教えはイエスキリストによって既に存在していた。この聖書がいかに大切であるかを毎日読む書物を通して痛感している。中世暗黒時代、宗教改革とその後に多くのクリスチャンが殉教した。ある時は国家からの弾圧を受けたが、そのほとんどがローマ法王権からの迫害によるものである。ローマ法王権の尽力したことはとにかく「聖書を手にとらせない」こと。聖書を読むことで真理を見出されては困る、ということだろうか。だからローマ法王権が聖書を焼いた。ローマ法王権が真理を求めるクリスチャンを殉教の死に追いやった。聖書を読み、真理に到達しないことが如何に危険なことかが歴史を通して理解できる。神様の声や指示を直接聴けた時代は良いな、と憧れたことがあるが今は聖書によって今も生きている言葉と神様のお考えを知ることができる。本当にありがたい時代である。
1260日の預言
フランスで幾世紀も続いた、聖書に対する闘争は、ついに革命へと発 展した。この恐ろしいできごとは、ローマが聖書を圧迫した当然の結果 にほかならなかった。革命は、世界がローマの政策の成り行きについて目撃したところの、最も著しい例であった。それは、ローマ 教会が1000年以上にわたって教えてきたことの結果の実例であった。
法王至上権時代における聖書の禁止については、預言者たちによって 預言されていた。また、黙示録の記者は、「不法の者」の支配のために、 特にフランスに起こる恐ろしい結果をも指摘している。
主の天使は、次のように言った。「『彼らは、42か月の間この聖なる 都を踏みにじるであろう。そしてわたしは、わたしのふたりの証人に、 荒布を着て、1260日のあいだ預言することを許そう。』・・・・そして、 彼らがそのあかしを終えると、底知れぬ所からのぼって来る獣が、彼ら と戦って打ち勝ち、彼らを殺す。彼らの死体はソドムや、エジプトにた とえられている大いなる都の大通りにさらされる。
各時代の大争闘電子版p259 聖書とフランス革命
ここに、「42か月」と「1260日」という2つの期間があげられ ているが、これは同じもので、キリストの教会がローマの圧迫を受ける期間を表わしている。1260年の法王至上権時代は、紀元538年に 始まったから、1798年に終わることになる。この時、フ ランスの軍隊がローマに侵入し、法王を捕虜にした。そして彼は配所で 死んだ。その後、すぐ新法王が選ばれたけれども、法王制度は、もはや 以前のような権力を振うことはできなかった。
教会の迫害は、1260年の全期間を通じて続いたわけではなかった。 神は、神の民をあわれんで、火のような試練の期間を短縮された。救い主は、教会にふりかかる「大きな患難」を預言して言われた。「もしその 期間が縮められないなら、救われる者はひとりもないであろう。しかし、 選民のためには、その期間が縮められるであろう(」マタイ 24:22)。 迫害は、宗教改革の影響を受けて、1798年より前に終わったのである。
各時代の大争闘電子版p260 聖書とフランス革命
今こそ聖書
聖書の構造がよく分からなくて読みづらさを感じていた。恥ずかしながら、聖書通読をするようになってほんの少しだけ聖書の構造が見え始めてきた。それまでは聖書を文脈で捉えることができず、1,2節の短い言葉で勇気付けられるところを探しそこを抜き出して聖書を読んだ気になっていた。でも文脈が少し分かると理解も深まり、逆に新たな疑問も生じる。そして御言葉がいつも心に語りかけてくれる。やはり「聖書研究」と御言葉を通して神様と交わることは形態によっては少し違うのかも知れない。どれだけ聖書に対する知識や理解がなくても、聖書の言葉は生きているので直接読む人に何かを伝える力を持っている。人の解説など必要とせず神様が直接語ってくださるのだと思う。勿論聖書研究によって御心を深く知ることも大切であるし、それがどれだけ信仰を育んでくれるか分からない。
「底知れぬ所からのぼって来る」神を汚す権力に殺された神の忠実な 証人は、長く沈黙していなかった。「3日半の後、いのちの息が、神から 出て彼らの中にはいり、そして、彼らが立ち上がったので、それを見た 人々は非常な恐怖に襲われた」(黙示録 11:11)。キリスト教を廃し 聖書を破棄する法令が、フランスの議会を通過したのは、1793年で あった。それから3年半後にはこの法令は廃止され、聖書を読むことを 許す決議が、同じ議会において採択された。聖書を拒否した結果起こっ た極悪非道さに、世界は驚きを禁じ得なかった。そして人々は、神に対 する信仰の必要と、神の言葉が、徳と道徳の基礎であることを認めたの であった。主は言われた、「あなたはだれをそしり、だれをののしったの か。あなたはだれにむかって声をあげ、目を高くあげたのか。イスラエ ルの聖者にむかってだ」(イザヤ 37:23)。「それゆえ、見よ、わた しは彼らに知らせよう。すなわち、この際わたしの力と、わたしの勢い とを知らせよう。彼らはわたしの名が、主であることを知るようになる」 (エレミヤ 16:21)。
各時代の大争闘電子版p279 聖書とフランス革命
2人の証人について、預言者はなお次のように言っている。「その時、 天から大きな声がして、『ここに上ってきなさい』と言うのを、彼らは聞 いた。そして、彼らは雲に乗って天に上った。彼らの敵はそれを見た」 (黙示録 11:12)。フランスが神の2人の証人に戦いをいどんで以 後、かえって彼らは、それまでになかったほどあがめられてきた。 1804年に、英国聖書協会が組織された。これに続いてヨーロッパ大 陸に、多くの支部をもった同様の聖書協会が設立された。1816年に は、米国聖書協会が設立された。英国聖書協会が設立されたとき、聖書 は50か国語で印刷配布された。そしてその後、聖書は幾百の国語と方 言に翻訳されてきた(付録参照)。
1792年以前の50年間、外国伝道事業についての関心はなかった。 新たな伝道協会は設立されなかった。そして、異教国にキリスト教を宣 べ伝えようと努力する教会は、ほとんどなかった。しかし、18世紀の 終わりになって、大変化が起こった。人々は、合理主義の結果に不満を 感じ、神の啓示と体験的宗教の必要を痛感したのである。この時から外 国伝道事業が、これまでにない発展を遂げたのであった(付録参照)。
印刷技術の発達が、聖書配布事業を促進した。諸国間の交通機関の発 達、昔ながらの偏見の壁や国家的排他主義の崩壊、ローマ法王の俗権の 喪失などが、神の言葉が入っていく道を開いた。数年前から聖書は、ロ ーマの通りにおいてさえ、何の束縛も受けずに販売されている。そして それは、今、人類の住んでいるところはどこにでも、配布されるように なったのである。
各時代の大争闘電子版p280 聖書とフランス革命
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