価値4

お金

お金は大切のものであり、お金があれば「なんでも」ではないが多くのことが可能になる。お金があって働かなくて良ければ両親と同居して介護ができる。お金があって自由に使える余裕があれば毎週実家に帰省することができる。「お金があれば幸せになれる」などとは思っていないが、「お金がある」ことでより快適で不可能を可能にする生き方ができることも事実だと思う。

大切なお金だが、背後にある「真のお金の価値」を教えてくれる話を読んだことがある。確か、田中信生牧師の書かれた「人生は舞台、あなたは名優」と言う本に書かれていた話だったと記憶している。

洋子ちゃんの10円玉

仙台に身寄りのない「知的障がいを抱える子」を預かる教会があった。その教会では子どもたちの自立のため15歳になるとある試験をすると言う。硬貨をその価値が高いものから並べる、と言うもの。

1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉の6種類。ある時、洋子ちゃんがこの試験を受けることになった。洋子ちゃんは小さい頃にお母さんを亡くし、現在は病床にある父親がいるだけ。そのような境遇だが洋子ちゃんは笑顔を絶やさない子だと言う。

洋子ちゃんに、価値のある順に並べるように言うとただひとつの間違いを除いて全て完璧に答えられた。

10円玉、500円玉、100円玉、50円玉、5円玉、1円玉

何故か一番価値のある500円玉の前に10円玉を持ってきてしまう。指導スタッフは何度も何度も根気強く教える。実際に買い物に連れて行って10円玉で買えるものと500円玉で買えるものとを見せてその価値の違いを教えるが、何度教えても洋子ちゃんは10円玉を「一番価値ある硬貨」にしてしまう。何故だろう、どうして10円玉なのだろうとスタッフは悩み考え続けた。そして、あるスタッフが「もしかしたら」とあることを思い出した。

洋子ちゃんは毎日就寝前に寮のにある公衆電話でお父さんと話をする。現在では公衆電話自体が少なくなり見かけることもあまりなくなったが、この頃はまだ公衆電話が多く、しかもテレホンカードではなく10円玉なども硬貨を入れるタイプが主流だった。寮にあった公衆電話はその中でももっとも古いタイプの赤電話。10円玉しか入らないタイプの電話だった。

洋子ちゃんにとって10円玉は、世界一大好きなお父さんとお話しできる最も価値ある硬貨だったのだ。

「あなたがたは自分のために、虫が食い、さびがつき、また、盗人らが押し入って盗み出すような地上に、宝をたくわえてはならない。 むしろ自分のため、虫も食わず、さびもつかず、また、盗人らが押し入って盗み出すこともない天に、宝をたくわえなさい。 あなたの宝のある所には、心もあるからである。 目はからだのあかりである。だから、あなたの目が澄んでおれば、全身も明るいだろう。 しかし、あなたの目が悪ければ、全身も暗いだろう。だから、もしあなたの内なる光が暗ければ、その暗さは、どんなであろう。 だれも、ふたりの主人に兼ね仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛し、あるいは、一方に親しんで他方をうとんじるからである。あなたがたは、神と富とに兼ね仕えることはできない。 それだから、あなたがたに言っておく。何を食べようか、何を飲もうかと、自分の命のことで思いわずらい、何を着ようかと自分のからだのことで思いわずらうな。命は食物にまさり、からだは着物にまさるではないか。 空の鳥を見るがよい。まくことも、刈ることもせず、倉に取りいれることもしない。それだのに、あなたがたの天の父は彼らを養っていて下さる。あなたがたは彼らよりも、はるかにすぐれた者ではないか。 あなたがたのうち、だれが思いわずらったからとて、自分の寿命をわずかでも延ばすことができようか。 また、なぜ、着物のことで思いわずらうのか。野の花がどうして育っているか、考えて見るがよい。働きもせず、紡ぎもしない。 しかし、あなたがたに言うが、栄華をきわめた時のソロモンでさえ、この花の一つほどにも着飾ってはいなかった。 きょうは生えていて、あすは炉に投げ入れられる野の草でさえ、神はこのように装って下さるのなら、あなたがたに、それ以上よくしてくださらないはずがあろうか。ああ、信仰の薄い者たちよ。 だから、何を食べようか、何を飲もうか、あるいは何を着ようかと言って思いわずらうな。 これらのものはみな、異邦人が切に求めているものである。あなたがたの天の父は、これらのものが、ことごとくあなたがたに必要であることをご存じである。 まず神の国と神の義とを求めなさい。そうすれば、これらのものは、すべて添えて与えられるであろう。 だから、あすのことを思いわずらうな。あすのことは、あす自身が思いわずらうであろう。一日の苦労は、その日一日だけで十分である。」
マタイによる福音書 6:19-34 口語訳

聖書研究ガイド21年4期4課

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